理学療法士から他職種へ転職してみたい。
違う世界も見てみたい。
理学療法士として働いていると、誰でも一度は通る感情だと思います。
実際に、私も何度も思ったことがありますよ。
しかし、理学療法士の道から別の道へ新たな一歩を踏み出すには、不安もありますよね。
理学療法士から他職種への転職ってアリなのかな?
実際に他職種に転職した人はどんな感じ?
本記事では、「理学療法士から他職種へ転職した方々へのアンケート」を実施した結果を踏まえ、以下の点を中心に解説しています。
- 他職種へ転職した方のリアルな体験談
- 他職種への転職を成功させるコツ
- 他職種に転職するメリット・デメリット
- 他職種へ転職する際のリアルなアドバイス
当記事でしか読めない、”理学療法士から他職種へ転職した方のリアルな体験談”から分かるコツを抑えて、他職種への転職を成功させる参考にしてくださいね。
仕事がつらくて、「やめたい」という感情に支配されたり、どうしたらいいのか答えが見つからず、ひとりで悩んでいる方もいらっしゃるかもしれません。
当サイト共同筆者のマキノは、実際にキャリアチェンジに悩んで悩んで…
結果、今は在宅での仕事をしています。
私の経験が悩む方の少しでも参考になればという思いで以下の記事をまとめています。
今まさに悩んでいる方は、合わせてご覧ください。
\理学療法士17年目のイチノセです/
- リハビリテーション部 部長
- 10年以上”人事”業務を兼務し、病院全体の採用業務を担当。
- 300人以上の人事・採用を担当
- 年収700万超え
- これまでの経験を活かし、理学療法士の働き方や転職に関する情報を発信中。
理学療法士が他職種への転職を考える理由
そもそも、なぜ理学療法士が他職種への転職を考えるのでしょうか?
理学療法士の転職自体は珍しいものではありません。
医療従事者の約2.5人に1人が、3年以内に転職
厚生労働省の3年以内離職者数の調査によると、医療従事者の約2.5人に1人が、3年以内に転職を経験しています。
他業界と比べて昇給率の低さは顕著
理学療法士が他職種へ転職を考える理由は様々ですが、その一つに「昇給率の低さ・給与が低い」ことが挙げられます。
全日本病院協会の調査によると、理学療法士の平均賃上げ率は1.9%。
厚生労働省が2023年に発表した国内民間企業の賃上げ率が3.6%であるのに対し、低水準であることが分かります。
民間企業は1994年ぶりの高水準と話題になっているよ
理学療法士は全然恩恵に預かれてないんだね…
2022年度の物価上昇率は約3.0%となっており、1.9%の昇給率では、近年の物価高に対応するのは非常に困難です。
こうした現状もあり、理学療法士から他職種への転職を検討する人が増えています。
理学療法士から他職種への転職!7名のリアルな体験談を紹介
実際に理学療法士から他職種に転職した人はいるのかな?
実は、結構いるんです。
当ブログの独自アンケートに答えてもらいました!
ここでは、理学療法士から他職種へ転職した7名の方の、リアルな経験談を紹介します!
調査方法 |
クラウドワークス |
対象 |
理学療法士から他職種へ転職した方 |
理学療法士からの転職を検討している方はぜひ参考にしてくださいね。
実例①:医療機器メーカーへ転職し年収100万円UPした方
お1人目は、医療機器メーカーの営業職に転職された方の経験談です。
転職前の職場 |
急性期病院 |
転職時の年齢 |
32歳 |
転職時の結婚の有無 |
既婚 |
転職時に活用した手段 |
DODA |
転職による年収の増減 |
100万円増 |
転職に満足しているか |
満足 |
理学療法士から他職種へ転職したきっかけ・理由を教えてください。
理学療法士としてのやりがいや成長が感じられなくなったことと、体力的にも限界を感じたことでした。また、結婚を機に家庭と仕事の両立が難しくなったこともありました。
転職に満足しているとのことですが、その理由を教えてください。
理学療法士としての知識や経験が活かせることと、自分の裁量で仕事ができることです。また、年収も上がり、家族との時間も増えました。
実例②:営業職へ転職し年収150万UPした方
お2人目は、医療機器メーカーの営業職に転職し年収150万UPした方の経験談です。
転職前の職場 |
急性期病院 |
転職時の年齢 |
32歳 |
転職時の結婚の有無 |
既婚 |
転職時に活用した手段 |
マイナビエージェント |
転職による年収の増減 |
150万円増 |
転職に満足しているか |
満足 |
理学療法士から他職種へ転職したきっかけ・理由を教えてください。
自分のスキルや知識が十分に活かせないと感じた。また、勤務時間や休日が不規則で、家族との時間が取れないことに不満があった。
転職に満足しているとのことですが、その理由を教えてください。
理学療法士の経験を活かして、医療機器の提案や販売ができる。また、勤務時間や休日が固定されているので、プライベートの時間も確保できる。
実例③:自動車部品メーカーへ転職した方
3人目は、自動車部品メーカーに転職し年収60万UPした方の経験談です。
転職前の職場 |
外来クリニック |
転職時の年齢 |
29歳 |
転職時の結婚の有無 |
既婚 |
転職時に活用した手段 |
リクルートエージェント |
転職による年収の増減 |
約60万円増 |
転職に満足しているか |
非常に満足 |
理学療法士から他職種へ転職したきっかけ・理由を教えてください。
子供ができ、将来の事を考えて理学療法士よりも年収の高い業界に転職するためです。
転職に非常に満足されているとのことですが、その理由を教えてください。
理学療法士として働いていた時と比較すると勉強会への参加も無くワークライフバランスが整い、家族との時間を大切にできているからです。
実例④:不動産業界へ転職した方
4人目は、不動産業界に転職し年収50万UPした方の経験談です。
転職前の職場 |
回復期病院 |
転職時の年齢 |
27歳 |
転職時の結婚の有無 |
未婚 |
転職時に活用した手段 |
ハローワーク |
転職による年収の増減 |
約50万円増 |
転職に満足しているか |
どちらでもない |
理学療法士から他職種へ転職したきっかけ・理由を教えてください。
やりがいはありますが、業務内容の割に待遇があまりかんばしくなく、理学療法士に対する熱意が徐々に薄れていったからです。
転職の満足度はどちらともいえないとのことですが、その理由を教えてください。
給料面の待遇は非常に良くなりました。
ただ、実際に医療の仕事から離れると、理学療法士の仕事が恋しくなるというか、前職に比べるとやりがいをほとんど感じられない。
実例⑤:ケアマネージャー兼管理職へ転職した方
5人目は、ケアマネージャー兼管理職として転職した方の経験談です。
転職前の職場 |
介護老人保健施設 |
転職時の年齢 |
32歳 |
転職時の結婚の有無 |
既婚 |
転職時に活用した手段 |
知人の紹介 |
転職による年収の増減 |
約30万円増 |
転職に満足しているか |
満足 |
理学療法士から他職種へ転職したきっかけ・理由を教えてください。
理学療法士の給料の天井に気づき、それだけでは生活できないと思ったから。
転職に満足されているとのことですが、その理由を教えてください。
理学療法士として働いていた時より、給料やボーナスが上がりました。待遇も少なからず改善しました。
実例⑥:福祉用具専門相談員へ転職した方
6人目は、福祉用具専門相談員として転職した方の経験談です。
転職前の職場 |
障害者福祉事業所 |
転職時の年齢 |
35歳 |
転職時の結婚の有無 |
未婚 |
転職時に活用した手段 |
リクナビエージェント |
転職による年収の増減 |
ほとんど変わらない |
転職に満足しているか |
満足 |
理学療法士から他職種へ転職したきっかけ・理由を教えてください。
毎日残業が多くあり、勤務時間になかなか終わらないことが多くあり、体調を崩してしまったからです。
転職に満足されているとのことですが、その理由を教えてください。
自分の希望した通りの業界や職種で働くことができ、自分の希望と仕事にギャップがないため、やりがいや働きがいを強く感じるからです。
実例⑦:介護事務職へ転職した方
7人目は、介護事務職へ転職した方の経験談です。
転職前の職場 |
特別養護老人ホーム |
転職時の年齢 |
42歳 |
転職時の結婚の有無 |
既婚 |
転職時に活用した手段 |
求人ボックス |
転職による年収の増減 |
約50万減 |
転職に満足しているか |
非常に満足 |
理学療法士から他職種へ転職したきっかけ・理由を教えてください。
前職で鬱を患ってしまい、退職を余儀なくされました。自宅から職場までの通勤が困難となり、暫く自宅にて養生が必要となったからです。
転職に満足されているとのことですが、その理由を教えてください。
家から近い職場が見付かり、自転車での通勤が可能となりました。職場内の方も気さくな方ばかりで、人間関係にも不満がないからです。
理学療法士が他職種への転職を成功させるコツ
では、「理学療法士が他職種への転職を成功させるコツ」を解説します。
- 自身の強みを明確にする
- 将来性のある職業を選択する
自身の強みを明確にする
まずは、自分自身の強みを明確にしましょう。
自分の強みを明確にすることで、あなたの実力を十分に活かせる場所を探すヒントになります。
USJを立て直したことで有名な森岡毅氏も、「キャリアを切り開く方法」として「自分の強みを見つけて磨くこと」の重要性を説いていますよ。
自分の強みってどうやって明確にしたらいいの?
2つの方法を紹介します。
①自分の好きなことを100個「動詞」で書き出す
森岡毅氏が紹介する「自分の強みを見つける方法」として、「自分の好きなことを”動詞”で100個書き出す」方法を提唱しています。
ポイントは、動詞で書き出すことです。
「サッカー」「テレビ」などの名詞ではなく、「サッカーで作戦を考える」「テレビを見て感想を言う」といったように、動詞で書き出していきます。
100個書き出したら、「thinkning(思考)、communication(コミュニケーション)、leadership(リーダーシップ)、それ以外」に分けます。thinkiing・communication・leadership・それぞれに、得意な行動や職種があり、自分の強みが見えてきます。
やってみたい!
詳しくは、森岡毅氏の著書「苦しかった時の話をしようか」に書かれているので、気になる人は読んでみてください。
②的確診断をやってみる
まずは、簡単にやってみたいな
ミイダスの無料診断がおすすめだよ!
ミイダスの無料診断は、無料なのに内容が充実している点がおすすめの理由です。
自分の強みは自分自身では把握しづらいですよね。
ミイダスの無料診断は、独自のノウハウを活かして開発した、本格診断サービスです。
診断に答えることで、自分の強みが分かり、転職を成功させるのに役立ちます。
転職後に後悔したり、転職に失敗したくない人は、まずは自分の強みをしっかり明確にしましょう。
将来性のある職業を選択する
他職種への転職を成功させたい方は、将来性のある職業を選択しましょう。
現在、世界中で「AIによる代替」が進んでおり、日本国内でも「AI技術」がどんどん進歩しています。
ファミレスでもロボットが運んできてくれることが増えたよね
スーパーのセルフレジ化も進んでるよ
今後AIの技術がどんどん進歩していけば、人間の仕事はどんどんAIに代替していくことは確実です。
転職を検討している方は、AIでは代替できない「将来性のある職業」を選択することが大切です。
野村総合研究所の調査結果によると、日本国内の49%の仕事は、10~20年以内に完全代替の可能性を示唆しています。
約半分が置き換わる可能性があるってことだよね
転職をする際にはこの事実をおさえておくことが大切だよ。
自身の強みを活かしながら、AIによって代替されない職業を選んでいきましょう。
厚生労働省の委託事業として、キャリア学び直しセンターでは、無料でキャリア相談を受けることもできます。
自分の強みを活かして、AIに代替されない職業をプロに相談・提案してもらうのもおすすめです。
理学療法士から他職種への転職に悩む方にリアルなアドバイス
今回アンケートにご協力いただいた方々から、「理学療法士から他職種への転職に悩んでいる方」に向けてアドバイス・メッセージをいただきました!
他職種への転職に悩んでいる方は、ぜひ参考にしてください。
自分のやりたいことや目指すキャリアを明確にすることが大切だと思います。また、転職サイトや転職エージェントを活用して、自分に合った求人を探すこともおすすめです。
自分の強みや適性を見極めることが大切だと思います。また、転職エージェントを利用すると、自分では見つけられない求人や情報を得られるので、おすすめです。
当時は強い動機があり理学療法士を目指しましたが、いざ働き始めると上司のパワハラがすごく、精神的に疲弊しました。
仕事内容も職場によっては負担が大きくなります。
自分のなりたいと思う気持ちを大事にしながら、あまりにも酷な職場環境であれば転職するのも一つの手です。行動を起こす前に良く考えて頂きたいと思います。
もし、悩んでいるのなら、一旦理学療法士の仕事から離れても良いと思う。
離れることによって一層理学療法士の仕事が好きになるかもしれませんし、結果的に転職が大成功するかもしれません。
悩んでいるぐらいなら、どんどんチャレンジして様々な視野を広げた方が自分にとってもは絶対にプラスに働くと思います。
悩んでいるだけでは現状は何も変わりませんからね。
実際に転職された方のコメントはとても参考になります!
経験からの言葉には説得力がありますね。
他職種への転職を経験した方のアドバイスをまとめてみると、以下の点が挙げられます。
- 自分の強みや適性・キャリアを見極めることが大切。
- 悩んでいる・酷な環境であれば、転職や行動を起こして視野を広げることも大切
⇒悩んでいるだけでは現状は変わらない - 転職サイトやエージェントを利用する
⇒自分では見つけられない求人や情報が得られておすすめ
転職エージェントなら、自分の強みを見つけるサポートもしてもらえるよ◎
自分の強みを活かして転職に成功したい方は、転職サイトやエージェントを上手に利用しましょう。
理学療法士が他職種へ転職するメリット・デメリット【決断する前にチェック】
理学療法士が他職種へ転職するメリット・デメリットについて解説します。
メリット | デメリット |
---|---|
・より自分の強みを活かせる仕事に就ける可能性 ・給与UPを見込める可能性 ・現在の不満から解消 ・新しい視野の拡大 | ・一から学び直しの可能性 ・資格を活かした転職は希少 ・給与downの可能性 |
他職種へ転職するメリット
他職種へ転職することで、より自分の強みを活かせる仕事に就ける可能性があります。
理学療法士という職業を選んだのは10代の頃だった方が多いと思います。
しかし、10代の頃とは価値観や見えるものも変わり、10代の頃以上に自分を客観視できるようになったり、視野が広がっている方も多いはずです。
自分自身や社会の仕組みについてより理解できるようになったからこそ、10代の頃に選んだ理学療法士という職業以上に、自分の強みを活かせる仕事を見つけられる可能性があります。
また、将来性のある職業を選ぶことで、給与アップを目指すことも可能でしょう。
転職によって、現在の不満やストレスが解消され、新たな道で視野を広げていくことが出来ます。
他職種へ転職するデメリット
一方、他職種へ転職するデメリットは、理学療法士としての資格を活かした転職は希少で、一から学び直しの可能性もあることです。
選ぶ職種によっては、給与ダウンの可能性もあります。
転職によるデメリットを最小限にするためには、自分自身の強みをしっかりと理解し、自身に合った将来性のある転職先を見つけること。
あなたの人生の主役はあなたです。
あなたをどう活かしてあげられるかは、あなたが自分自身を理解していなければ、正しい職場選択ができません。
他職種に転職すべきか、理学療法士として転職すべきか悩んでいる人は、まずは自分の強みを把握することから始めましょう。
理学療法士が他職種に転職する具体的な方法
では、理学療法士から他職種へ転職する具体的な方法を紹介します。
- 知人からの紹介
- ハローワーク
- 転職サイトの活用
知人からの紹介
理学療法士から他職種へ転職する方法1つ目は、知人からの紹介です。
実際、リアルな経験談を教えてくださった5人目の方も、「知人からの紹介」で転職されています。
あなた自身の良さを理解してくれている身近な人からの紹介は、転職成功につながる大きなチャンスと言えます。
また、医療業界の知人であれば、これまでの理学療法士としての資格を活かした働き方も可能でしょう。
一方、知人からの紹介の場合、万が一「合わなかった」と思った際、辞めづらいというデメリットもあります。
知人からの紹介で転職する際は、本当に自分の強みを活かすことが出来るのか、しっかり検討しましょう。
ハローワーク
理学療法士から他職種へ転職する方法2つ目は、ハローワークの利用です。
ハローワークはネットで会員登録すれば、無料で求人を検索することが出来ます。
私も転職活動で利用したよ!
利用した感想は、正直なところ、求人の質が様々だということ。
しかし、ハローワークにしか求人を出していない会社もあるので、登録して損はないと思います。
無料で登録すれば、求人が閲覧できますよ◎
他職種への転職を検討する方は、ハローワークも上手に活用しましょう!
転職サービス
理学療法士から他職種へ転職する方法3つ目は、転職サービスの活用です。
今回のアンケート調査でも、約70%の方が、「転職サイトを通してキャリアチェンジ」しています。
現代における他職種への転職の場合、転職サイトの利用は必要不可欠です。
大手転職サイトであれば、登録無料で求人を見たり、転職活動に便利なサポートも受けることが可能です。
転職に失敗して後悔したくない人は、転職サイトを上手に活用しましょう!
理学療法士をやめたい人からよくある質問
理学療法士をやめて後悔しないか心配です
頑張って取得した理学療法士の仕事を辞めるのは勇気がいりますよね。
以下の記事では、理学療法士を「やめてよかった」と感じている方の経験談と、「やめてよかった」と言えるためのヒントをまとめています。
今の職場の給料が上がらなくてつらいです
2022年度、病院の7割が赤字の時代…理学療法士が給料を上げるためには、経営状況の良い病院を選ぶことは必須となってきました。
理学療法士として給与の上がる職場の見つけ方は、以下の記事にまとめていますので、参考にしてくださいね。
まとめ
ここまで、理学療法士から他職種への転職についての情報をまとめてきました。
- 理学療法士からの他職種への転職で収入UPも見込める
- 他職種への転職を成功させるコツは、自身の強みを見極め、将来性のある職業を選ぶ
他職種に転職しても、理学療法士としての国家資格は決して無くなりません。
戻りたくなったらいつでも戻ってくることが出来ます。
悩んでいるだけでは何も始まりません。
まずは一歩を踏み出すことが大切。
他職種への転職を考えているあなた。
自分の強み診断と求人情報をチェックして、まずは一歩目を踏み出しましょう!
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