こんな悩みを解決します
- 理学療法士の給料が安いのはなぜ?理由が知りたい
- 理学療法士として給料アップする方法が知りたい
理学療法士として日々の業務に邁進しているのに、毎月給与明細を見るとその安さにがっかり…
毎日へとへとになるくらい働いているのに、給料が上がらないと何のために働いているのか分からなくなってしまいますよね。
本記事では、理学療法士の給料が安い理由や現実、給料の安い理学療法士を脱出するためのヒントを紹介しています。
頑張りに見合ったお給料をゲットできる理学療法士になりたい方はぜひ参考にしてみてください。
\理学療法士17年目のイチノセです/
- リハビリテーション部 部長
- 10年以上”人事”業務を兼務し、病院全体の採用業務を担当。
- 300人以上の人事・採用を担当
- 年収700万超え
- これまでの経験を活かし、理学療法士の働き方や転職に関する情報を発信中。
理学療法士の給料が安いのはなぜ?4つの現実
- 理学療法士1人当たりの稼げる額に限界がある
- いなくても何とかなる
- 優先順位が低い
- 専門性が低い場合がある
理学療法士1人当たりの稼げる額に限界がある
理学療法士の1単位(20分)当たりの料金 | ¥1500~2100 |
\法律で決まっている/ 理学療法士が1週間に介入可能な単位 | 108単位 |
理学療法士の1か月の売り上げ →平均¥1800×MAXで介入した場合 | ¥777,600 |
想定されるMax月収(40%) →Max売上(777,600)×40% | ¥311,040 |
理学療法士は、1単位当たりの料金・1週間で介入可能な単位が法律で決められています。
どんなに頑張って稼ごうと思っても、「108単位までしかだめですよ」と国が決めている以上、それ以上介入することが出来ません。
1単位あたりの平均を1800円とし、1か月間MAXで頑張ったとすると、777,600円の売り上げ。
売上に対する人件費は30~40%が相場とされているので、40%で計算してみると311,040円が最大給料となります。
311,040円以上の給与は、会社がマイナスになってしまうというイメージです。
会社(病院)の売り上げに貢献できる「限界」があることが、給料が上がりにくい最大の要因です。
いなくても何とかなる
医師 | 看護師 | |
---|---|---|
一般病棟 | 16:1 | 3:1 |
療養病棟 | 48:1 | 4:1 |
特定機能病棟 | 8:1 | 2:1 |
2つ目は、病院運営において、「いなくても何とかなる」からです…
医師の人数や看護師の人数は、病院運営において「最低限何人必要」というのが定められています。
医師や看護師はいないと患者さんも入院させられないので必ず必要です。
一方、理学療法士の場合は、「リハビリテーションの料金」に影響はありますが、理学療法士がいないからといって、患者さんを受け入れられない…ということはありません。
いなくてもなんとかなるので、医師や看護師よりも優先順位が低くなってしまうのが現状です。
専門性が低い場合がある
職場によっては、「理学療法士の専門性」に疑問がわくような場合もあります。
介護士さんや看護師さんと似たような役割を担っている…といった職場もあるかもしれません。
そのような職場では、より様々な業務が可能な介護士さんや看護師さんが重宝されますよね。
結果的に理学療法士である必要性が低いため、給料も上がりにくい要因となります。
理学療法士の給料・年収は一般企業と比べて安い?現実を比較
理学療法士の給料・年収は、「社会全体」で見たときに安いのか、現実を比較してみましょう。
国税庁が発表している「年齢階層別の平均給与」を参考に、グラフにしました。
「男性会社員」と「理学療法士」を比較すると、30代前半で約100万円もの差が開き、50代では200万もの差が開いています。
また、「全会社員」と「理学療法士」を比較しても、30代後半で約60万円ほど差が開いています。
こんなに違うんだね…
40代後半で500万円に到達したとしても、生涯年収を考えるとかなりの差が開いてしまいます。
こうした現実を見ると、「理学療法士は給料が安い」と感じるのも無理はありません。
理学療法士として年収を上げることは難しいのかな…
あきらめるのはまだ早いです!理学療法士でも年収を上げることは可能ですよ◎
「給料の安い理学療法士から脱出!年収を上げる方法」の項目を見る
理学療法士のあなたの給料は安い?理学療法士の平均年収と比較
「給料が安いから、転職しよう!」と考える前に、まずはあなたの理学療法士としての給料が本当に安いのかを見ていきましょう。
厚生労働省が発表している「令和4年賃金構造基本統計調査」をもとに算出してみました。
年齢 | 平均年収 |
---|---|
20~24歳 | 約329万円 |
25~29歳 | 約380万円 |
30~34歳 | 約414万円 |
35~39歳 | 約437万円 |
40~44歳 | 約487万円 |
45~49歳 | 約516万円 |
50~54歳 | 約539万円 |
55~59歳 | 約575万円 |
あなたの給料と比べて、どのくらい差があったでしょうか?
しかし、「平均よりもらっているから安心」ではないですよね。
きっとこの記事を見てくださっている方は、「今後、頑張っても給料が上がっていかない現実」に不安を抱いている方が多いと思います。
次の項目では、「給料の安い理学療法士から脱出するためのヒント」を解説していきますね。
給料の安い理学療法士から脱出!年収を上げるための方法
- 理学療法士としての掛け算を考える
- 自分の強みを見つける
- 成長の見込める職場への転職
理学療法士としての掛け算を考える
冒頭でも解説しましたが、「理学療法士」単体で稼げる売り上げに限界がある以上、「理学療法士」としての技術提供だけでなく、「理学療法士」との掛け算を考えていく必要があります。
掛け算するもの | 掛け算で目指せる収入アップの道 | |
---|---|---|
理学療法士 | 技術特化 | 開業 |
理学療法士 | 育成・教育 | 管理職 |
理学療法士 | 活かせる趣味 | SNSでの発信 |
上の表はあくまで一例ですが、「理学療法士×唯一無二の技術特化」なら「開業」という道。
「理学療法士×育成・教育」なら「管理職」の道。
「理学療法士×活かせる趣味」なら、SNSでの発信。
というように、理学療法士に●●を掛け算していくことで収入アップを目指していきましょう。
私の場合は、「理学療法士×人事・育成」で年収アップしています。
私は、「理学療法士×活かせる趣味」の発信で年収アップしてますよ◎
ちなみに、「掛け算」の考え方は、理学療法士に限ったことではなく、高年収を稼ぐ人は様々な掛け算をしているのが現実です。
理学療法士の我々も、「理学療法士」という国家資格や知識を軸に、十分年収UPが狙えますよ◎
自分の強みを見つける
掛け算するもの | 掛け算で目指せる収入アップの道 | |
---|---|---|
理学療法士 | 技術特化 | 開業 |
理学療法士 | 育成・教育 | 管理職 |
理学療法士 | 活かせる趣味 | SNSでの発信 |
自分はどんなものを掛け算していけばいいのか、方向性に悩みますよね。
最も重要なのは、あなた自身の強みを見つけることです。
目指す方向性を決めるためには、「自分の強み」を正しく理解することが大切です。
ユニバーサルスタジオジャパンを再生させたことで有名な森岡毅氏は、「自分のキャリアを切り開くためには、自分自身の強みを理解することが重要」と述べています。
自分の強みを最大限に活かせる方向性に進むことで、理学療法士として高年収の道が開けてきます。
成長の見込める職場への転職
あなたが「理学療法士×●●」の掛け算で、年収を上げていきたい!と思った時に重要な1つが、所属している職場自体の経営が良好かどうかということです。
日本病院協会が2023年に発表した「医療機関における賃金引き上げの状況に関する調査」によると、約7割もの病院が赤字経営であることが分かりました。
職場が赤字なら、当然職員の給与も上がりません…
所属組織の経営状態が赤字では、例え「理学療法士×管理職」と掛け算をしても、上がる給料には限界があります。
職場の経営状況が良好・成長の見込める職場で掛け算していくことが必要不可欠です。
「経営状況が良い」「規模拡大のビジョンがある」組織で掛け算すれば、高年収を目指せる求人も十分ありますよ◎
職種 | 理学療法士(管理職) |
地域 | 兵庫県 |
施設形態 | 病院 |
年収 | 540万~690万 |
職種 | 理学療法士(管理職) |
地域 | 千葉県 |
施設形態 | 病院 |
年収 | 500万~700万 |
職種 | 理学療法士 |
地域 | 東京都 |
施設形態 | 訪問リハビリ |
年収 | 440万~800万(平均年収500万以上) |
特に、「訪問リハビリ」や経営状況の良い「事業所」であれば、若い年齢で役職に就くことが可能なケースも多いです。
あなたの頑張りが活かせる職場で、年収アップを目指していきましょう◎
給料の安い理学療法士から脱出したい人に知ってほしい注意点
- 理学療法士としてだけの知識研鑽にとらわれない
- 早めに動き出す必要あり
理学療法士としてだけの知識研鑽にとらわれない
給料の安い理学療法士から脱出したい人に知ってほしい注意点は、理学療法士としてだけの知識研鑽にとらわれないことです。
専門職である以上、理学療法士としての研鑽はもちろん大事◎
しかし、「理学療法士の技術研鑽」だけで給料を上げるのは困難です。
なぜなら、技術力の有無で理学療法士の単位単価は変わらない、つまり売上は変わらないから。
あなたの強みを活かせる掛け算で、年収アップを目指していきましょう。
早めに動き出す必要あり
また、給料の安い理学療法士からの脱出を目指すなら、“早めに動き出す必要がある”ということです。
平成31年、厚生労働省の「医療従事者の需給検討会」にて、2026年~2027年には、理学療法士の需要と供給のバランスが逆転すると発表されました。
つまりどういうこと?
理学療法士の数が増えすぎてしまうということだよ
つまり、2026年以降は、理学療法士の求人数そのものや、優良求人をゲットできる機会が減少するということです。
理学療法士としての現状に少しでも悩んでいる人は、求人情報を日頃からチェックし、魅力的な求人があれば、すぐ動き出せるように今から準備を始めておきましょう。
理学療法士の給料が安いと感じる人のよくある質問
理学療法士として勝ち組になりたい
理学療法士としての勝ち組の定義は様々ですが、年収において勝ち組を目指すなら、正しいやり方や知識が重要です。
理学療法士として年収600万以上稼ぐにはどうしたらいい?
年収600万以上稼ぐには、組織の成長が見込める職場で出世する方法や、インセンティブのある訪問リハビリで働く方法などがあります。
まとめ:理学療法士の給料が安いと感じる人は今すぐ行動しよう!
ここまで、理学療法士の給料が安い原因と、安月給の理学療法士を脱出するヒントについて解説してきました。
大切なのは、自分の強みを知って、周りよりも早めに動き出すこと。
もちろんお金が全てではないですが、年収は暮らしを豊かにするうえで必要な要素の一つでもあります。
理学療法士としての知識と、あなた自身の強みを活かして、給料の安い理学療法士を脱出しましょう。
最後までお付き合いいただきありがとうございました。
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