本記事はこんな方におすすめ
- 訪問リハビリの将来性について知りたい
- 2024年度の改定で訪問リハビリにどんな影響があるのか知りたい
訪問リハビリへの就職・転職を検討する際、「将来性」がどうなのか、心配になりますよね。
大きな病院と比べ「経営母体」が小さいことが多く、「大丈夫なのかな」と不安になった方もいらっしゃるかもしれません。
訪問リハビリの将来性は事業所により明暗あり!選び方に注意【結論】
結論から言うと、2024年度の診療報酬改定により、訪問リハビリの将来性は事業所によって明暗があると言えます。
訪問リハビリへの就職を考えている方は、より一層「選び方」が重要になってきそうです。
本記事では、訪問リハビリで将来性の見込める事業所選びのポイントについても紹介していますので、参考にしてみてくださいね。
\理学療法士17年目のイチノセです/
- リハビリテーション部 部長
- 10年以上”人事”業務を兼務し、病院全体の採用業務を担当。
- 300人以上の人事・採用を担当
- 年収700万超え
- これまでの経験を活かし、理学療法士の働き方や転職に関する情報を発信中。
訪問リハビリの将来性【ポジティブ面】
- 訪問リハビリ受給者数は年々増加
- 成長している組織は給与に反映されやすい
訪問リハビリ受給者数は年々増加
厚労省による訪問リハビリテーション受給者数の報告によると、その数は年々増加していることが分かります。
具体的には、平成19年から平成31年までの12年で、約2倍にまで増加しており、需要が高まっているといえるでしょう。
高齢化社会の現在、訪問リハビリの需要は今後も高まり続けることが期待されます。
成長している組織は給与に反映されやすい
訪問リハビリは、組織の形態上、理学療法士の給与が上がりやすい背景があります。
そのため、「組織」として成長しているといえる事業所に就職すれば、給与に反映されやすく、やりがいや達成感を得やすい傾向があると言えるでしょう。
訪問リハビリの将来性【ネガティブ面】
しかし、近年の診療報酬改定や国の流れから、手放しにおすすめ出来る状況ではなくなってきているのが現状です。
- 事業収支(売上)の浮き沈みが激しい
- 1利用者あたり「5万円/年」収入減の可能性あり【2024年の診療報酬改定】
- 今後は看護師:理学療法士の人数割合にも言及してくる可能性あり
事業収支(売上)の浮き沈みが激しい
ここ数年の訪問リハビリの収益性(経営状況)は、浮き沈みが激しく、安定していません。
厚労省による令和5年度介護事業経営実態調査結果の概要を見てみると、
- 令和4年の訪問リハビリ収支率:-0.4%(前年より赤字傾向)
- 令和5年の訪問リハビリ収支率:+9.5%(前年より黒字傾向)
というように、減少傾向から一気に黒字転換しています。
このような浮き沈みが大きい点は、懸念材料と言えるでしょう。
1利用者あたり「5万円/年」収入減の可能性あり【2024年の診療報酬改定】
2024年度の診療報酬改定では、訪問看護におけるリハビリテーションの減算が決定しました。
この減算により、1人の利用者に介入することで得られる収入が、5万円/年ほど減る可能性が示唆されています。
関連記事:2024年度の診療報酬改定による収入減の根拠とは?影響を解説
この収入減により、訪問リハビリの将来的な経営状況にも向かい風が吹く可能性があるでしょう。
今後は看護士:リハビリスタッフの人数割合にも言及してくる可能性あり
さらに厳しいのが、今後1事業所当たりの「看護師:リハビリスタッフ」の人数割合に言及してくる可能性があることです。
2021年介護報酬改定を巡る議論では、訪問看護事業所における看護士の割合を6割とする案が厚生労働省から出されました。
今回の診療報酬改定では見送られましたが、今後「看護士の割合を増やす」と言及する可能性は消えていません。
そうなると、訪問リハ(訪看)のリハビリスタッフの立場が危ぶまれる可能性があること、結果として将来的な悪影響が及ぶ可能性も考えられます。
訪問リハビリで将来性の見込める事業所を見極める方法
こうしたことから、訪問リハビリ=将来性があるではなく、「将来性の見込める訪問リハビリを選ぶ」必要があります。
では、将来性の見込める事業所を見極める方法はあるのでしょうか?
絶対にチェックした方がいいポイントは以下の2つです。
- 昇給率がどのくらいか
- 診療報酬改定を踏まえた今後のビジョンがあるかどうか
昇給率がどのくらいか
訪問リハ(訪看)を検討する際は、給料だけでなく、昇給率を必ずチェックしましょう。
求人票で提示された給与が他と比べて高めでも、昇給率が低ければ、長期的な収入向上につながりません。
つまり将来性があるとは言えないということです。
長く勤めるほど、昇給率が年収を左右してきます。
実際、初任給の高い職場を選んだのに、昇給がほとんどなく、転職を検討している人も多いのが、「医療業界あるある」です。
昇給率は必ず確認し、将来の収入見込みを考慮した職場選びをしましょう。
診療報酬改定を踏まえた今後のビジョンがあるかどうか
さらに重要なのは、「診療報酬改定を踏まえた今後のビジョン」があるかどうかです。
働くスタッフの生活を本気で考えている職場なら、今回の診療報酬改定や今後起こりうる問題にも向き合っているはずです。
注意すべきなのは、「儲けるだけ儲けて、事業が傾いたら撤退」を考えている事業所もあるということ。
「いやいや、ありえないでしょ」と思うかもしれませんが、訪問リハビリにおいてはよくある話です。
病院やクリニックとはちょっと素質が違います。
一時的な儲けだけを考えている・働くスタッフの将来を考えていない場所では、安心して働くことはできません。
今後起こりうる問題をどうとらえ、どう解決しようとしているのか、事業所の将来性を見極めましょう。
将来性のある訪問リハビリに就職・転職におすすめの活用エージェント
「でも、どうやって昇給率や将来のビジョンなんて確認するの?
「自分じゃ聞きづらい…」
そうなんですよ。自分ひとりで情報を入手するには、限界がありますよね。
超重要なことなのに、空気を読んで聞けないまま就職するから、後悔する人が多いんです。
直接聞きにくい情報を事前にゲットするなら、求人サイトの担当スタッフにお願いするのが最善です。
求人サイトと聞くと、「しつこそう」とかネガティブな印象を持つ方も多いですよね。
たしかに、求人サイトの方もボランティアや慈善団体ではないという前提を理解しておくことは重要です。
しかし、だからといって、求人サイトを利用せず、必要な情報を知らないままの転職は、万が一のリスクが大きく、後悔に繋がりやすいデメリットがあります。
さらに言えば、一般企業なら、「求人サイト」「エージェント」に複数登録、よりいい条件をゲットするのは当たり前のことです。
あなたの希望する連絡方法や、希望する連絡時間帯・今は求人を見たいだけなど、希望を正しく伝えれば、求人サイトのメリットをフル活用して、納得いく転職活動につながるはずです。
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訪問リハビリの将来性について心配な方からよくある質問
訪問リハビリの給料が高いのはなぜ?
訪問リハビリ以外で、給与UPの見込める職場を見つける方法は?
医療業界の現状を踏まえると、「訪問リハビリがおすすめ」ではなく、「給与UP」「将来性のある」職場探しが重要です。
分野だけで判断せず、給与UPの見込める、将来性ある職場を見つけていきましょう。
関連記事:給与UP・将来性のある職場を見つける方法
まとめ:将来性・ビジョンのある訪問リハビリを選ぶのが成功のカギ
本記事では、訪問リハビリの将来性についてまとめてきました。
将来性・ビジョンのある事業所を選ぶことがカギとなります。
- 2024年度の改定で、訪問リハビリは事業所により明暗が分かれそう
- 利用者数は増えているが、売上が伸びていない事業所も多い
- 訪問リハビリを選ぶ際は、将来性・ビジョンのある事業所を選ぶことが重要
訪問リハビリを検討している方は、上手に情報収集して、満足できる職場選びをしてくださいね。
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